真皮移植術後の鼻中隔延長術について可能かどうか

以前他院で鼻にプロテーゼと真皮移植の手術を受けました。
4年ほど経つのですが、まだ丸く上向きなので悩んでいます。
プリモ麻布十番さんの鼻中隔延長術の症例写真を見て、手術していただきたいと思ったのですが、真皮移植の手術をしていると鼻中隔延長術は受けられませんか?

A 当院では他院の手術後の患者さまの修正を多数手がけております。もちろん真皮移植後の修正も鼻中隔延長術なら可能になります。鼻先の形をもっともパワフルに形成できる非常に有用な術式です。真皮移植後ですと瘢痕形成が強いことが予想されますが、鼻中隔延長術なら修正可能です。

鼻中隔延長術の変形について

鼻中隔延長術は変形が多いと聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか?鼻先に耳介軟骨移植をすることで少しは鼻先を下げることは可能でしょうか?変形を防ぐために軟骨を筋膜に包んだりしてから移植する医院もあるそうですが、貴院はそのような方法をしていらっしゃいますか?

A 鼻中隔延長術は、他の鼻整形手術と同様に変形を来す可能性のある術式です。そのため手術は慎重に行う必要があります。一つ一つの工程を丁寧に行うことで変形の可能性は少なくなります。無理な延長は変形のリスクを増大させます。安全な範囲での延長が成功の秘訣です。実際に当院では鼻中隔延長術後の変形に対する手術は稀で、ご本人の要望の変化に対応する修正の方が多いようです。その点が非常に大切で、術前後の変化をあらかじめ写真やシミュレーションソフトを用いてすり合わせることを行っております。
 
鼻先に耳介軟骨移植をおこなう方法は、ご希望によって行うことはありますが、手術の正確さ、達成可能は範囲の大きさから、現在は鼻先を下に向ける手術としては鼻中隔延長が第一選択となっております。
 
軟骨を筋膜に包む方法は、当院では行っておりません。

プロテーゼの石灰化について

7年前に隆鼻術をうけL型のプロテーゼが入っています。自分としては鼻をもう少し高くしてダンゴっ鼻をなおしたいです。ただ 入れ換えがとても不安です。石灰化したかどうかもよくわかりません…石灰化するとどうなるんですか?その他隆鼻術入れ換えのリスクとプロテーゼを挿入する事によるリスクを教えて下さい。

A シリコンプロテーゼがの周囲が石灰化しますと、プロテーゼの硬さが増した感じになったり、皮膚からざらざらとした感触を触れたりします。長期間経過すると石灰化部分が盛り上がって変形してくることもございます。
 シリコンプロテーゼという異物に対する反応結果、被膜(カプセル)が形成され、そこに長い間にカルシウムが沈着し石灰化がおこります(通常10年以上経過する頃から少しずつ発生すると言われています)。気にならなければ多少石灰化したからといって必ずしも入れ替えの必要はございません。
 鼻先を高くすることでだんご鼻の改善は期待できます。その場合は自分の軟骨を用いる鼻中隔延長術で行うことになります。自家軟骨で行う鼻中隔延長術はL型プロテーゼによる無理な隆鼻術よりも安全で、長期的にも石灰化のリスクはないと思われます。鼻中隔延長術で鼻先を高くした場合、眉間から鼻背にかけてはI型プロテーゼを用いることが多いようです。その場合、当院ではゴアテックスという素材のプロテーゼを用いております。ゴアテックスはシリコンに比べカプセル形成が軽度と言われておりますので、結果石灰化のリスクも少なくなる可能性があります。

 

鼻中隔延長術に伴う軟骨の吸収の可能性について

鼻中隔延長術で起こるリスクのことですが、何年か経って移植した軟骨が吸収されて元に戻ってしまうケースはあるのでしょうか?
またプロテーゼを挿入して何年か経つと鼻先が赤くなってしまうということはあるのでしょうか?

A 鼻中隔延長術手術後に何年も経過して移植軟骨が吸収されて元に戻った症例はこれまでに経験がありません。何年も経過していれば軟骨は完全に生着して安定していますのでまず吸収されることはないと考えています。
 プロテーゼを入れて鼻先が赤く
なってしまうというのは、L型プロテーゼを入れた場合に起こりえるトラブルです。
 鼻
中隔延長術ではプロテーゼはI型を用いるのでプロテーゼが原因で鼻先が赤くなることはありません。ただし、鼻中隔延長術によって鼻先を伸ばす場合、皮膚が薄くなることはありますが、異物が原因で薄くなるよりも格段にリスクは少ないと思っております。軟骨は生きた組織であり、周囲に血行がありますので、万一の損傷の際にも創傷治癒機転が働きます。延長が原因で皮膚に穴が開いた症例はこれまで経験がございません。

鼻プロテーゼ抜去後の変形について

7年前に入れたプロテーゼを抜去する場合について教えてください。手術するまえの元の鼻と、全く同じに綺麗にもどることは可能なのでしょうか? 
変形やその他リスクを詳しく教えてください。

A プロテーゼを抜去する方法は、鼻腔内の7-8mmほどの小切開から行います。
抜去することで手術する前の鼻とほとんど同じ形に戻ることが多いと思われますが鼻先の軟骨を入れる手術の際に切ってしまっていたり、L型プロテーゼにより鼻先の軟骨を押し潰してしまうことによる軟骨の変形が残ることがたびたび見られます。鼻先が上を向いてしまい、鼻の穴が正面から見えやすくなることもしばしばです。
こういった場合、軽微な変形ならそのまま放置する方が多いようですが、変形がやや目立つ場合は修正術が必要となります。修正は自分の軟骨を用いた鼻中隔延長術、脂肪や筋膜などの移植術によって改善を図ります。

鼻中隔延長術による鼻先の修正およびリスクについて

鼻が短く上を向いていて、2年ほど前に他院で耳介軟骨を鼻先に入れ少し下を向ける手術をしました。結果としてもう少し鼻先を下に向けたいと思っています。耳介軟骨を鼻先に入れる手術をしている状態で鼻中隔延長術は可能ですか? 
初めての手術と比較し、修正術の場合のリスクはございますか?

A 耳介軟骨移植術を行った状態でも鼻中隔延長術は可能です。残った耳介軟骨と鼻中隔軟骨を用いて延長を行うことができる可能性があります。もしも耳の軟骨では足りない場合、肋軟骨を用いて鼻中隔延長術を行います。
手術をしていない方に比較し、一度手術をしている方は、以前の手術の影響で瘢痕組織があるため、やや手術が難しくなることがあります。鼻中隔延長術の一般的に言われているリスクの可能性が少し上がります。しかし、そのような場合に他に良い選択肢がない場合が多く、鼻中隔延長術はそういった状況の患者さまの鼻の形態を、問題なく改善させる信頼できる手術術式と考えております。

鼻中隔延長術による鼻先の修正について

3年前にIプロテーゼと鼻尖縮小と鼻軟骨移植をしました。 鼻はかなり上向きで鼻の大きさが左右違います。左の穴に大きなしこりがあります。癒着もしていて鼻先は硬いです。耳介軟骨で鼻中隔延長をして症例写真の様に鼻先を長く高く下に向けたいのですが修正できますでしょうか。

A  他院での鼻手術後の変形の治療で、鼻中隔延長術は大変強力に修正できる術式です。相当硬く上向きに固まった鼻先も、適切に剥離し下向きに修正することが可能です。当院では修正例でも耳介軟骨をファーストチョイスに考えておりますが、低い確率で肋軟骨を用いた鼻中隔延長術お勧めする場合もございます。当院のどのモニター症例写真の様になりたいのかカウンセリングの際に教えていただければ、具体的な話ができると思います。もちろん自分の理想の鼻の写真をご持参いただいても結構です。

鼻中隔延長術後の軟骨の吸収について

鼻中隔延長術は将来的に見ると耳から移植した軟骨が吸収されて変形する可能性がある上に、鼻の組織と癒着してしまって、修正が非常に困難になると知りましたが、本当でしょうか。
また、鼻孔縁形成手術(鼻翼部耳介軟骨移植)でも耳軟骨を使用しますが、これも年数が経つと周りの皮膚に癒着して、取り除くことは困難でしょうか。

A 鼻中隔延長術後、耳介移植軟骨の吸収変形について、当院で経験した鼻中隔延長術後の軟骨の吸収症例は、約400症例中、感染を併発した1症例のみと考えております。
経験した範囲では通常経過中に明らかに吸収され変形した症例はないようです。
手術を行う限りどのような手術も瘢痕組織ができ癒着はおこります。何度も手術を行うことが前提ならどのような手術でも2回目はやりにくくなります。ただし、適切な手術後の正常な癒着であれば、当然修正もやりやすく問題がないことが多いようです。
当院では他院修正例も多数手掛けておりますが、癒着がひどい症例も適切に手術をおこない改善させることができております。

鼻孔縁形成術も同様です。もしも移植組織を取り除く必要性があれば、丁寧な手術を行うことで除去する事は可能です。
鼻中隔延長術は、現在ある数々の手術術式の中ではとても安定して良い結果が得られる手術と考え、当院では好んで用いております。

鼻中隔延長術後の鼻詰まりについて

もともと鼻炎の症状があり、よく鼻づまりをするのですが、この鼻中隔延長術の手術をした後はさらに鼻詰まりがひどくなるといったトラブルが起きた人はいらっしゃいますか?

A  鼻中隔延長術の術後は炎症による腫れのため鼻づまりが起こります。この鼻づまりは腫れが落ち着いてくると通常は解消いたします。
軟骨を移植した分だけ鼻腔は狭くなりますので、もともとの状態によっては鼻づまりがひどくなる可能性もあると考えます。極力鼻腔通気を妨げないよう軟骨移植を行っております。術前の鼻腔通気の検査も行い、術後の評価に役立てております。
鼻詰まりの改善方法は、移植軟骨が安定した時期に狭くしている原因部分を切除し鼻腔を広げる手術、spreader graftを移植し鼻腔を広げる手術などで改善いたします。手術での改善を図る方の割合としては1%程度です。

鼻中隔湾曲症手術後の鼻中隔延長術について

4年くらい前に鼻中隔湾曲症という手術をしまして、鼻中隔の一部をすでに抜き取っているので、延長する部分を耳の軟骨を移植して補うことになるかと思いますが、耳からの移植だけでもある程度の延長は期待できるのでしょうか?

A 通常鼻中隔湾曲症の手術は尾側の鼻中隔軟骨を残すことが多いと思われます。鼻中隔軟骨が一部欠損しても、尾側の鼻中隔軟骨が残っていれば、問題なく延長術が可能です。診察の際に触診などで残っているかどうか判別が可能です。普通にあれば全く問題なく耳介軟骨により最大限の延長が期待できます。

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