鼻からおでこにつながる部分で丁度眉と眉の間を文字通り眉間といいます。
目と目の間あたりが鼻の鼻根部といわれる部分です。主に鼻骨という骨が形を作っている部分になります。
鼻根部から鼻先へかけてのスロープが鼻背といわれる部分になります。外側鼻軟骨および鼻中隔軟骨が鼻背の形態を作ります。
鼻先は鼻尖といわれ、小鼻の部分は鼻翼といいます。鼻の穴の間に柱の様にある部分が鼻柱です。鼻先は鼻翼軟骨の上に皮下脂肪、皮脂腺などの組織が豊富に存在します。
皮膚の下に、皮下脂肪組織やSMAS(superficial musculoaponeurotic system)という薄い層が広がります。SMASの下には鼻拡張筋、鼻尖抑制筋、鼻中隔抑制筋などの薄く小さな筋肉が存在します。
われわれ東洋人の鼻は皮膚、脂肪組織が厚い方が多く、反対に軟骨や骨の発達がそれほど良くない方が多いようです。
鼻を支える構造的組織には、軟骨である鼻翼軟骨、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、および鼻骨という骨があります。鼻根部の触れると硬い部分が鼻骨です。その下に鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨が存在します。これらは鼻骨や上顎骨にしっかりと固定されているため可動性はないところです。最も下にある鼻翼軟骨は外側鼻軟骨や鼻中隔軟骨と緩く固定されているため、鼻先には可動性がある程度あります。この鼻先の自由度と土台となる組織を上手く利用し、鼻の形態を整える術式が開発されています。
鼻の手術の際には、これらの解剖学的特徴をうまく生かし、個々の状態に合わせ組織を切除、あるいは追加し構造を変え、外鼻形態を整えていきます。
上のイラストは鼻の正中で切った断面図です。
水色で描かれている鼻中隔軟骨は上方を鼻骨、奥は篩骨垂直板、下は鋤骨と上顎骨に支えられて強い支持性を持ちます。鼻中隔軟骨の前上方の角はseptal angleと言われ、手術の際にとても大切な部位になります。鼻中隔軟骨の前方は比較的やわらかく薄くなっています。このため鼻先は横方向に可動性があります。